令和8年5月22日から全国公開される映画『いろは』(横尾初喜監督)が、佐世保シネマボックス太陽で先行公開されていたので観てきました。
主演は川島鈴遥さん(初主演)と森田想さん(『わたしの見ている世界が全て』)。川島さん演じる時田伊呂波と、森田さん演じる姉・時田花蓮のロードムービーです。
監督は佐世保出身
横尾初喜監督は佐世保市出身。平成29年に初監督作品を公開し、令和元年に長崎を舞台にした映画『こはく』(井浦新主演)を公開しています。
『いろは』は佐世保市・長崎市・諫早市・雲仙市など、長崎県内各所でロケが行われています。特に冒頭、姉妹の実家に設定されている佐世保市内の光景を、佐世保の映画館で眺めるのは不思議な感覚でした。
この作品は、佐世保のリアルな暮らしと、そこでくすぶる若者たちを描いています。地方ならではですが、親世代の濃厚なコミュニティと、若い世代の薄い繋がりや孤独感がよく対比されているように思いました。
主人公はニート&風呂キャンセル界隈
主人公の伊呂波は23歳の実家住まい。家業である老舗茶葉販売店(時田茶舗)の仕事を手伝っていますが、事実上の「ニート」に近い状態です。(しかも風呂に入らず、歯も磨かない社会不適合者?)

ある日、実家に帰ってきた姉の花蓮は伊呂波とは真逆でコミュ力が高く、伊呂波はそんな姉を鬱陶しく見ています。
ところが、そんな姉から「妊娠してんの。男に会いに行くけん、着いてきてよ」と頼まれるところから、物語が展開します。
街に希望はなく、将来に展望はない。キラキラしているように見えて刹那的な姉の焦り。すべてが不満で自己肯定感の低すぎる妹。そんな対象的な姉妹が、ストーリーが進むにつれ、よく似ていることがわかってきます。
お互いを理解しているようで、すれ違ってきた。でも頼れるのは姉妹だけ。苦しくて切なくて、最後は爽やかな、ロードムービーです。
主役二人の非常に繊細な演技が光っています。何より、佐世保の街がエモい。長崎の風景が美しい。二人は間違いなく成長した。そして、観客も成長したいと思える作品です。
主人公がひたすら食べる謎のお菓子
上映中に気になったのが、伊呂波がずっと食べているスナック菓子です。実家にいる時も、姉との旅先でもずっとポリポリ食べ続けています。

どっかで見たことあるなーと思い、特定しました。

ズバリ、「やまとの味カレー」です!
このお菓子は昭和27年に佐世保市大和町で創業した株式会社大和製菓さんの看板商品です。
昭和35年の弊社の製造第一号の商品が「味カレー」です。当時はカレー味の商品は珍しく、
大和製菓公式サイト
その中で自社の商品としての存在感を出すために商品名と社名を合わせて「やまとの味カレー」という商品名にして売り出しました。お陰様で今では「大和製菓」といえば「味カレー」というくらい皆さんに覚えて頂いています。
佐世保出身の監督らしい、細かい演出です。
映画を見終わったら、「やまとの味カレー」を片手にロケ地巡りしてみるのも良いかもしれませんね!
▽映画『いろは』公式サイト
iroha2026.com
(文責・本山)

